「いい友達だからさ。」「友達にしか思えない。」「お兄ちゃんみたいだから。」
勇気を出して、告白。しかし、返ってくる答えは、いつもこれ。いい人とは思ってもらえても、彼としてはNG。いったい自分には何が足りないんだと自問自答するけれども、答えが出ない日々。友達の中途半端な慰めももう聞き飽きた。
こんな感じで悩んでいる人はたくさんいるんじゃないかな。過去の僕もそうだったし。そんな良いお友達どまりだった僕がやったこと。いや、正確にはやってしまったこと。
それは、ほんのごく親しい女友達を除いて、女友達と切れたこと。まずは当時の状況説明から。僕は、学生時代に大学のプログラムで東南アジアのとある島に研修に行った。そのメンバーの男女構成がかなりいびつで、女の子がほとんどだった。
準備期間、実際のプログラム中、帰ってからの作業と数ヶ月間に渡って、一緒の時間を過ごす機会が多かった。そういった訳で、必然的にメンバー同士は仲良くなっていく。
また、僕には恋愛相談をしょっちゅう持ちかけてくる女の子たちがいた。男の友人たちもいたが、学校に来なくなったりして、あまりつるまなくなってしまった。だから、必然的に、女の子たちと絡む機会が多くなる。
さらに僕はもともと男臭くない。武田真治さんのようなユニセックスな雰囲気だ。こんな僕が上記のような事情で女の子たちとの絡みが多くなるとどうなるか。結果から言えば、女の子たちと同化してしまうのである。
具体的にいうと男としてのフェロモンがでなくなってしまう。その代わり女の子たちから見れば私たちと同じ女の子=安全パイとみなされる。結果として、良いお友達、良いお兄ちゃんになってしまうのだ。
だから、今思えば、彼女を作るためには根本的に環境を変える必要があった。もしくは女友達と必要以上に付き合うのを止めるしかなかったのである。
月日は流れ、強制的に環境が変わるタイミングが訪れる。私は、大学卒業と同時に4年間過ごした街を離れた。そして社会人として働き始めた。もちろん、女友達たちも同様に社会人になり、生活が激変した。そして、みんなバラバラになった。
社会人なら誰しも経験があると思うけれど、働き始めると、友人が選別される。そのまま、付き合い続ける友人と切れてしまう友人にだ。ここで、僕の場合、ごく数人を除いてほとんどの女友達と切れた。
そして、職場では男に囲まれる環境になった。結果、男のフェロモンが復活したのである。当然ながら、自分の学生時代を知らない新しい周囲の女の子たちからも、普通の男の人とみなされる。
そこからだ。彼女ができるようになったのは。
続く。
ではまた次回、さらばじゃ。