「いつまでも僕のアイドルでいてください。」
これ、初めて付き合った彼女に贈った言葉だ。もう10数年前とはいえ、今でもかなり恥ずかしい。よくこんなことを言ったとさえ思ってしまう。言われた彼女は「くさい、くさい。」と苦笑いしていた。
当時、彼女には、「もっと言葉がほしい。」と言われていた。その頃の僕にとっては、それを受けてのせいいっぱいの愛情表現だったと思う。それを、「くさい。」と苦笑いされてしまったので、しばらくはそれがトラウマになってしまった。
僕は、照れくさい言葉を言えることが、夫婦関係でも、恋愛関係でも良い関係を続けていくことができる第一歩だと思っている。普段、思っていてもなかなか口に出せない、そんなことは言わなくても分かってくれていると思っている人も多いと思う。
よく聞くのが、セックスの最中だけは言ってくれるけど、他のときは全く言ってくれない。そのセックスも回数が減ってしまっているから、言ってもらえる機会がほとんどないというものだ。けれど、本当に大事なのは、日常生活の中でも伝えることができることだと思っている。
普段の生活で、「好き。」とか「愛している。」とか言ってられるかとか、毎日に忙しいのに、そんな暇はないと思う人もいるかもしれない。だいたい、シチュエーションがあってこそ言えるもので、そんな空気作りをいつもしてられないと思う人もいるだろう。
確かに「好き。」とか「愛している。」とかは言いづらい。もちろん、冒頭の僕みたいに一昔前のトレンディードラマに出てくるような歯の浮くようなセリフはもっと言いにくい。じゃあ、「ありがとう。」や「お疲れ様。」だったらどうだろうか。
「いつも店を予約してくれてありがとう。」「毎日、家事を頑張ってくれてありがとう。」「デートのたびに送ってくれてありがとう。」「今日もお仕事お疲れ様。」これくらいなら、言えるのではないだろうか。
「ありがとう。」でも、身近な人に言うのは照れくさい。言われたほうだって、最初はこそばゆいかもしれない。けれど、間違いなく嬉しいし、やってあげて良かったと思う。
本人を目の前にして言うのは、どうしても照れくさいという人もいるだろう。だったら、LINEやメールで伝えてみるのはどうだろう。普段のメールの中に一言添えてみる。それだけでも相手の反応はちょっと違うはずだ。
口にすることや文字に起こすのは、やっぱり苦手だという人も多いかもしれない。もちろん、行動で伝えるという方法でも良いと思う。過去にも書いたが、相手をちょっと喜ばせる行動を取るのも効果的だ。けれど、「行動を起こせ。」というとよけいにハードルが高いと感じる人も多いかもしれない。
「ありがとう。」の一言が、彼女の心を満たす。「お疲れ様。」というねぎらいの言葉が、彼を癒す。そんな一言、一言の積み重ねが二人の良い関係を維持していく。
もちろん、「好きだ。」とか「愛してる。」という言葉を、外国人のように日常で言いあえるのが最も好ましいかもしれない。しかし、気軽に言いあえても、ハートがつながっていない言葉ほど、無力なものはないことも事実なのだ。
自分が照れくさいと感じる言葉ほど、相手の心をつかんで離さない。照れくさいなと思っても、ぜひ、相手に伝えてほしい。きっと、二人の距離はグッと近づけるだろう。
今日はそんな感じで、Ciao!!