「うちは家事を分担してやっています。」
とてもいい響きだ。家庭円満の秘訣だとさえ思う。しかし、本当のところはどうだろうか。不平、不満なく、家事を分担している夫婦なんてほとんどいやしない。
結婚当初は、きっちり決めて分担するかもしれない。しかし、月日が経てば、なし崩し的に相手に押しつけていないだろうか。結果、分担しているはずの家事をやらないから、相手の機嫌が悪くなる。
確かに仕事も忙しい。自分のやりたいことをする時間も持ちたい。のんびりする時間も持ちたい。子供の面倒だってみなくちゃならない。
だからといって、家事をしなくていい理由になんかはならない。俺は今日も残業だ。妻のほうが早く帰れる。だから、家事は妻がやるのが当然だと思うかもしれない。しかし、時間が短くとも仕事は仕事である。同じようにストレスと疲労を抱えるのだ。
夫婦でケンカする。これは、結婚生活の風邪だと思う。風邪なのですぐに治ることもある。こじらせて、重症になることもある。最悪の場合、破局、すなわち離婚だ。実際に離婚にいたるかはともかく、こじらせている二人は結構な数いると思う。
実際、周囲の友人たちと話をしていても、男女ともにパートナーへの不満はたくさん出てくる。そして、必ず出てくるお互いへの不満のネタは、どちらが家事をやるか、自分のほうが家事をたくさんやらされているということなのだ。
共働き、専業主婦のどちらでも、家事について決まりを作っている夫婦は多い。例えば、風呂掃除とトイレ掃除は夫、料理は妻のように分担をきっちり決めている二人。
またゴミ出しは夫がするけれど、後は全て妻に任せている二人。育児は妻にお任せ、家事は夫にお任せのような二人だっているだろう。カップルの数だけ、家事のやり方があるというのが実情だ。
しかし、仕事から帰って、育児もある中で家事をやるのはしんどい。できれば、相手にやってほしいと思うのが本音だろう。さらに、夫は夫の、妻は妻の友人たちとパートナーについて話をする。
「うちは、共働きだけど妻が家事のほとんど引き受けてくれているよ。」とか「うちは共働きなのに、夫はほとんどやってくれない。」や、「うちは、自主的に旦那もやってくれているよ。」というように。
そして、お互いに必ず感じてしまう。「友人の家は相手がやっているのに、なんでうちはやってくれないんだ。」ということを。まさに隣の芝生は青いんだ。
では、結局、家事についてお互いの不満をためないためには、どうすればいいだろうか。答えは、気がついた自分が積極的に家事をするが正解だ。「私はやっているのに、まだ私がやらなくちゃいけないの。」と思ったかもしれない。「自分は仕事が忙しくてやっている暇なんてない。」と思った人もいるだろう。
けれど、一方的に相手に「家事をしろ。」と言っても全く効果はない。反発されるのがオチだ。ならば、気がついた自分がやっていくしかないんだ。なぜなら、二つにきっちり分担したとしても、どうしても相手の負担のほうが少なく見えてしまう。その結果、お互いへの押しつけあいがはじまる。
だったら、最初から分担なんか決めずに気がついたほうがやるという方式にしたほうがよっぽどいい。そして、相手がしてくれた家事に対しては、必ずどんな小さなことでも、「ありがとう。」と言おう。その一言が次につながるんだ。
また最初にお金はかかるが、お掃除ロボットや食洗機などできるかぎり家事をしなくていい仕組みを作ることも重要だろう。家事のことで、しょっちゅうケンカをするより、お金で解決できることはお金で解決したほうがストレスにはつながらない。
お互いに積極的に家事をやり、気持ちよく二人でゆったりした時間を過ごすのか。または、お互いにどちらが家事をやるのかとストレスを感じながら様子をうかがうのか。
選択するのはあなたたち二人しだいだ。
ではまた次回、さらばじゃ!!