結婚

妻のための旅

 

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僕は岡山に住んでいる。しかも、岡山市から最寄駅まで35分。広島県との境も近い。そんな僕たち家族が東京に行った。片道4時間の旅である。しかも、今回は妻のための旅。

 

 理由は、妻が「東京の腐れ縁の友達に会いたい。」と言ったから。ただ「1泊2日になるので、小人をおいていけない。小人の面倒を一緒に横で見てほしい。」というリクエストだった。

 小人は女の子で1歳8カ月。けれど、うちの小人は男の子並みに活発なせいか、ちょこまかちょこまか忙しい。早い話がじっとしていられない。さて、どうやって行くかと悩んだあげく、僕たちは新幹線を選択した。

 もちろん、僕と妻は、最悪の事態も想定した。小人が寝てくれず、周囲の人に迷惑かけまくるという悪夢である。しかも、僕たちの収入では、グリーン車は選択できない。必然的に指定席になる。

 指定席は、通路を挟んで2列と3列に別れている。僕たちの決断が遅かったせいか、3列のほうしか空いていなかった。小人のために座席を取っても座らないことが目に見えていたので、大人2人分だけ席を確保。僕たちは、なるべく人が乗ってこないことを祈った。

 そして、当日。まずは最寄駅から、岡山駅へ。在来線。もちろん、小人は座ってはいられない。土曜日の朝なので、空いている車両を動きまわった。

 そして、岡山駅から東京へ。新幹線の旅、3時間半。最初の1時間で、朝ごはん。小人に食べさせながらだ。終わると、小人の手が温かい。僕がだっこひもでだっこして、車内をうろうろ。あっけなく小人は寝てしまった。そして、新横浜で彼女はムクッと起きる。

 品川駅で、降車。それから、妻の友達2人とランチ。ただ見慣れぬ環境のせいか、寝起きのせいか小人の動きはいつもよりにぶい。

 それから、妻たちと別れて、僕と小人は、品川アクアパークに行く。イルカのショーを見て、水族館を巡る。この記憶は小人には残らないだろうが、楽しんでいるといいなと思う。2時間ほどで、2人だけの大冒険は終了。妻と合流。

 宿泊先は、弟のマンション。弟にも小人がいるので、室内は小人仕様。気楽で、落ち着く。

 翌日。妻は、予定があるので、先に出発。また僕と小人の2人になる。まあ、正確には、弟とその小人の4人なのだが。こきげんで遊んでいた我が小人。ただ、すべって、唇を切ってから、様子が一変。

 もどしたりして、体調を崩す。汚れたので、洋服をそうとっかえ。で、妻と合流するために、東京駅へ。ここで、弟が助け舟。車で東京駅まで送ってくれた。ついでに小人の睡眠時間も確保。

 妻と無事に合流して、昨日とはまた別の友達とランチ。僕はとりあえず食べて、小人を連れて店の外へ。八重洲の地下街をまた2人で大冒険。人通りのある中で遊び出す、小人にハラハラ、ドキドキ。

 途中で、イベントに先輩がいるとFBでアップされていたことに気がついたが、今回は妻のためと行くのを我慢。ちょっとした後悔は残ったけれど。

 ランチ終了後、お土産、お弁当を買って、東京駅を出発。また帰宅までの4時間の旅。新横浜を過ぎてから、小人と抱っこひもで車内をお散歩。またもや、あっけなく寝落ち。京都まで、ぐっすり寝てくれた。

 岡山駅で、在来線に乗り換えると、小人は車内でいろんな人に笑顔を振りまき、思わず、相手もニッコリ。親切な高校生が席を譲ってくれた。今回の旅は、優しい人が多いので助かる。

そして、午後9時。無事、帰宅。妻は大満足だったらしい。何度もありがとうと言ってくれた。

 そして、僕はどうだったのだろう。僕は子守が苦手だ。というか、食わず嫌いだった。おむつも変えるし、ご飯も食べさせる。お風呂も入れるし、寝かしつけだってやる。けれど、主戦場は、料理、選択、掃除といった家事だ。

 けれど、けれど、長時間、2人でいることはほとんどなかった。なぜなら、2組にじいじとばあばがすぐ助けてくれたからである。また未だに母乳を飲んでいたころのイメージが残っていて、何となく妻がいないと不安だったせいもある。

 けれど、この旅で、それも解消されたのではないか。少しは父に慣れてきただろうか。

 それにしても、妻は強運の持ち主である。よく妻は守られているというが、今回の旅にあたって、イメージした困ったことは、小人が一時、体調を崩したこと以外はなかった。

 その小人も、今日もいつものようにちょこまかと元気である。

 今日はそんな感じで、Ciao!!

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